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旅の番外編です。(いま帰国途上の機内です)

今回はパリで経由ボンに入りました。

というのも、当初ドイツ国内の移動を格安航空会社のエア・ベルリンを予約していたところ、なんと出国前夜に経営破綻で運航停止することが判明し、当初予定していた往復の空路を出国当日にキャンセルしエアフランスで予約し直すというハプニングがありました。

エア・ベルリンの運航停止は10/27からでしたが、予約サイトのエクスペディアの過失で運航停止のお知らせが無く把握が出来なかった次第です。

偶然に、念のために予約の再確認を前日夜にしたために運航停止が判明したのですが、万一再確認をしていなかったら知らずに現地に着いて乗り継げなかったと思われ、こういう時に予約サイト経由だと怖いですね。。。

慌てて予約を取り直すことにしたのですが、JALもANAもルフトハンザもリーズナブルなチケットは満席だったので、止む無く空席があったエアーフランスで往復を予約し、パリ→ボンは高速鉄道三時間の旅となりました。

その際、ユネスコ本部(パリ)で働いている知人を表敬訪問をした際に撮った写真を紹介します。^_^

遠くに見えるのがエッフェル塔、手前にはユネスコ加盟国の国旗がなびいています。

ユネスコには日本人職員が30〜40名くらい働いていて、拠出金の額の面では米国トランプ政権が自国ファーストで拠出を辞めたので、今は日本が一番拠出しているそうです。

地道に国際貢献している日本人も沢山いらっしゃるんだなぁと感謝と敬意の念に包まれたパリ訪問でした。^_^
実は、今回の視察団にNHKスペシャルのスタッフが密着取材で同行いただきました。

日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)の視察団12社16名の現地での模索と決意をお伝えいただけるのではないかと思います。

新産業革命とも言われるパラダイムシフトに対して、世界の産業界は二年前のパリ協定までに議論を終えて、揺るぎないコンセンサスのもと、既に行動(アクション)や検証(チェック)の段階に完全に移行していました。

日本ではコンセンサスすらまだ不十分で、産業界では未だに消極派が主流派を占めています。

日本の全ての政策決定者やビジネスリーダーに見ていただきたい内容になってると確信します。

放送予定は、12/17日曜21:00〜NHKスペシャルです。

※私は映っていないと思いますが、日本の未来にとても大きな影響を与える内容と思われますので、是非多くの方に見ていただきたいです。m(_ _)m
WWW6.NHK.OR.JP
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ボンでのCOP23関連ビジネス会合を終えて単独行動となり、ベルリンに立ち寄り中です。

ベルリン在住の建築家金田さんにご案内いただき、公共の集合住宅の大規模断熱改修の事例を見学させていただきました。(写真一枚目)

特筆すべきは、断熱改修が単なる省エネルギー施策だけでなく、(低所得者に対する)福祉施策の一環として進められているということでした。

日本でもそんな時代がいつか来ると良いなと思いながら、街ごと改修してしまうスケール感に驚きました。

金田さんはフライブルクの村上敦さんのお弟子さんで、ドイツ・ベルリンの設計事務所で学んだ知見を活かして日独の省エネ建築にグローバルに携わっておられます。

震災後に単身渡独し、縁もゆかりもない無い土地で、言葉の壁を乗り越え設計事務所の門を叩いて道を切り拓いて来られたチャレンジ精神にエールをおくりたいと思います。^_^

写真2枚目は列車から撮影した風力発電。
写真3枚目はブランデンブルク門です。
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COP23関連ビジネス会合の最終セッションです。

欧米のグローバル企業が脱炭素化に向けて取り組んでいる事例について学びました。

RE100、EV100、EP100、SBTと聞きなれない単語が並びますが、グローバル企業の必須事項になりつつあるようです。

中小企業にはすぐには関係がありませんが、将来はサプライチェーンの中で取り組みの必要性が出てくる可能性があります。

概説すると次の通りで、日本でもグローバル企業を中心に取得が始まっています。

RE100
事業用電気を100%再エネにすることを目指すこと。

EV100
事業用車両を100%電気自動車にすることを目指すこと。

EP100
事業活動で消費するエネルギー効率を二倍にすることを目指すこと。(省エネ率50%)

SBT
サイエンス ベースド ターゲット
科学的根拠に基づく二酸化炭素排出量削減目標
事業活動で排出する二酸化炭素についてパリ協定の2℃目標に整合性の取れた目標を掲げること。
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(トランプ政権はパリ協定離脱を表明したが) 私たちはパリ協定に残っている。

という意味のスローガンを掲げる自治体や米国企業有志のパビリオンを視察しました。

米国政府がパビリオンを出さないので、非政府主体で独自に別会場を借りて出展しているという訳です。

ニューヨークやカリフォルニアを筆頭に9州、125都市、約1,000社の企業、約200の大学の参加があり、米国は脱炭素化のリーダーを引き続き務めるという意思表示です。

日本でもし政府が離脱を表明してもどれだけの企業が立ち上がるのだろうか?とも思いますが、万一そんなことになった時に立ち上がるのが私が賛助会員として所属する日本気候リーダーズ・パートナーシップ(Japan-CLP)だと思います。

興味のある方はまずは賛助会員となられることをお勧めします。

最大のメリットは今回ような視察団への参加や、国(環境省)との対話会合への参加をすることが出来ることです。

仲間の企業が増えることを願います。^_^

japan-CLPはこちら。
https://japan-clp.jp
私もインタビューに答えてます。
https://japan-clp.jp/index.php/company/voice/106-voice2
ニュースにあるように、いずれ再エネの方が火力や原子力より安く発電できるようになるというのが世界の常識です。

既に国や地域によってはそのような事例が出てきています。

多くの国が再エネ100%の国づくりをパリ協定を実現するための長期ビジョンとして掲げ始めました。

このトレンドは住宅においても関係があり、電力会社から電気を買うよりも我が家で作った方が安くてお得という時代に向かっています。

今はFIT(固定価格買取制度)によってお得度が支えられていますが、いずれFIT無しでもお得な社会に向かいます。

それを見据えた住宅のあり方について関心と議論が広がると幸いです。^_^
“明日”をつむぐテクノロジー
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最終日です。

炭素排出量の有限性や化石資源の座礁資産化を研究し問題提起している英国の金融シンクタンク、カーボントラッカーのアンソニー・ホブリーさんからのレクチャーです。

二年前のCOP21でレクチャーを受けた際の核心は次の通りでした。

アンソニー・ホブリー氏
「パリ協定が求める2℃目標達成のために排出を許容される二酸化炭素はおよそ1兆トンと推定され、一方いま採掘可能な化石資源を全て燃焼させると3兆トンもの量が排出される。すなわち可採埋蔵量の2/3は燃やせない座礁資産になるので、化石資源関連ビジネスは企業にとって負の資産になる。石炭や石油などあっても使えない時代が来る」

あの衝撃から二年。

今回のレクチャーでどんな話がお聞きできるかとワクワクして臨みました。

アンソニー・ホブリー氏
「パリ協定に端を発する脱炭素化は新しい産業革命とも言える。日本は18〜19世紀の産業革命においてアジアのどの国よりも一早く対応し成功した。日本は小さい国だが電気製品、自動車など世界にインパクトのある製品を作ってきた。今回の脱炭素化の産業革命においてもうまくやるべきでは?石炭火力発電に取り組むのは狂気の沙汰に見える。30〜40年先に石炭火力発電の稼働を許すような政治状況となっているはずがない。いずれ火力よりも再エネの方が発電コストは安くなると見込まれる。太陽光発電や風力発電など中国ではなく本来は日本がやるべき分野であった。私の一番下の子どもは2歳。2100年も生きているかも知れない。今のままでは気候変動による被害は莫大となりかねない。人類社会の存亡の危機とも言われている。子どもたちのために我々はやらねばならない。」

日本がやるべき分野であったと言われ二年ぶり二度目の衝撃です。

その昔、太陽光発電の世界シェアは日本が圧倒していましたが、今は見る影もありません。

脱炭素化という産業革命レベルのパラダイムシフトの真っ只中において、私たちが何をなすべきなのか?

同行の12社16名のメンバーと真剣に議論を交わしています。

あるエンジニアの方から「俺たちエンジニアは世界で負けない技術で製品を作ってきた。自分は再エネのエンジニアだが、恐らく石炭の分野でもエンジニアは必死に努力して世界に先駆けて高効率化という難しい課題を乗り越えてきたのだと思う。それがこれほどまでに批判されていることに胸が痛む。国として未来が求める技術開発にシフトすることを望みたい。国家の技術戦略はエンジニアではどうしようもない。国として議論を始めないといけない。」と涙ながらに言葉を絞りだされ、張り裂けんばかりの様子に私も胸が熱くなりました。

日本がやるべきことがありますね。

ZEHもその一つです。^_^
NHKのニュースでは環境NGOが批判しているという表現に留まっていますが、COP23の現地では各国の高官やビジネスリーダーから同様に厳しく批判されています。

パリ協定の立役者の一人フィゲレス女史(国連気候変動枠組み条約会議・前事務局長)との一昨日の会合でも「石炭火力発電を推進しないことは経済の問題ではなくモラルの問題だ」と強いメッセージをいただきました。

同行しているメンバーで石炭火力発電のビジネスに関わっているメンバーは誰もいないのですが、日本全体がそのように映っていて、国益を損なっていると強く感じます。

私としては化石燃料に極力頼らなくて良い住宅(ZEH)の普及に全力を傾注したいと改めて意を強くしました。^_^
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本日最後のセッションで衝撃を受けることとなりました。。。

お話しいただいたのは米国の政策団体の起業家テッド・ハルステッド氏です。(米国のTVではお馴染みのコメンテーター)

同氏の政策提言活動について、特にカーボンプライシングの政策提言の内容についてご紹介いただいた後の質問タイムでのやりとりです。

ある方が「トランプ政権による米国のパリ協定離脱を国民や企業はどう受け止めているのでしょうか?」とお尋ねしたところ、、、

テッド・ハルステッド氏
「トランプ政権により米国政府としてはパリ協定から脱退を決定したが、米国の産業界の主流派はパリ協定支持で、グリーンテクノロジーにシフトすることが事業機会につながるという認識を共有できている。米国は、いわば政治的な事故で一時的にパリ協定を離脱するが、いずれグリーンテクノロジーのリーダーとして戻ってくる。」

ここから先が問題です。

「一方、日本では気候変動リスク対策の必要性やグリーンテクノロジーへのシフトが事業機会であることへのコンセンサスが出来ていないこと事態が驚きだ。かつて日本はハイテクのリーダーであった。世界が日本のテクノロジーに憧れ学んだ時期がある。実は自分も若い頃に早稲田に留学した経験を持ち、日本から多くのことを学んだ。しかしながら日本はいま最先端にいない。日本がなぜグリーンテクノロジーの分野で先頭を走ろうとしないのか?なぜ石炭火力発電を国内で数十カ所もこれから建設し、さらにアジアでの建設を支援するのか?20世紀の技術を支援する日本に失望する。中国ですらグリーンテクノロジーに未来があると理解しているが、日本の産業界の主流派がこの船に乗ろうとしないのが不思議でならない。日本は追いつかないといけない。日本よ早く戻って来て欲しい!」

戻って来て欲しいと言われるレベルにまで日本の力が落ちていることに大きな衝撃を受けました。

ブーメランのように批判の矛先は我が日本に戻って来たのです。

自らの事業分野に置き換えて考えると、住宅の世界でもZEHが事業機会であることをもっと議論すべきだと思いました。

氏のTEDプレゼン(翻訳付き)はこちら。https://youtu.be/ta2Wvy9F_gA

氏には娘さんがいて、娘さんの未来に良い社会を残してあげたいと思いから、気候変動リスクに関する政策提言の活動を始めたそうです。

実は私も子どもが小5の時のことです。環境問題を揶揄するワイドショーを見ながら「パパの時代は良かったね。(石油など化石エネルギーを)使いたいだけ使って贅沢してきたんだよね。僕たちの時代は我慢していかなきゃいけないから大変だよね。」と呟かれたことが大きな原体験となり自分の活力になっています。

日本では業界においても気候変動リスクのことを話すと、それは経営には無関係と思われ煙たがられることが多くありますが、欧米ではそのリスク対策が事業機会であり、いかにしてリーダーシップを発揮し比較優位を実現するか?パリ協定により号砲が鳴らされグローバルな競争は既に始まっているのです。

私たち住宅の分野も無関係では無く、関心と議論が広がることを願います。^_^
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と言われる展示会場の視察です。

写真は日本、フランス、ドイツのパビリオンです。

このような会場で世界各国が自国の気候変動リスク対策について展示や発表をしています。

今年の特徴はアメリカが出展しておらず、その代わりアメリカの財界有志が別の場所にて独自のパビリオンを設置するという異例の事態となっています。

アメリカの後退ぶりを批判する気持ちがある中、夜のセッションでアメリカ人の活動家の話を聞くことになるのですが、その批判の矛先はなんと我が日本に向けられるのでした。。。

詳しくは次の投稿で。