

LCCM住宅を概説する東京大学清家准教授
今週はOM本部の会議の合間に、IBEC主催の第28回建築環境・省エネルギーフォーラムを聴講してきました。
テーマは「加速される建築分野の低炭素化―取り組みの最新動向―」です。
聴講後に思ったのですが、この”加速”というのがキーワードでした。
建築研究所理事長の村上先生を筆頭に、国土交通省や東京大学など政策立案に携わっておられる方が次々に今後の施策を発表され、大変チャレンジブルな内容に感銘を受けました。
昨年末、デンマークで開催されたCOP15で、民主党が2020年25%削減ビジョンを世界に発表して以来、急速に住宅・建築分野でどうするかという検討が進んで”加速”しているようです。
調べてみたところ、既に今年に入って3回の検討会が開催されています。
具体的内容は環境省のHPはこちら、をご参照ください。特に住宅・建築物WGの部分を見て下さい。興味のある方は必読です。
フォーラムで講演された国土交通省の方からは、「長期優良住宅や省CO2推進等のモデル事業による補助、住宅版エコポイントによる補助、次世代省エネ基準の規制強化、事業主基準(総合省エネ基準)の一部義務化など、積極的に地球温暖化対策に取り組んできましたが、それだけでは25%達成にはまだまだ不十分で、さらに住宅・建築物の低炭素化の取組みを進めていく。」ということでした。
そして、新しい施策としての目玉が次の通りです。
①CASBEE(住宅・建築物の環境総合性能評価システム)を低炭素強化版として進化させて実務に普及させる。
②住宅分野はLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅の研究開発を進め、普及に向けての取組みを始める。
→すでにLCCM住宅のモデルハウスの建築も始まっているようで、その概要について講演で教えて頂きました。講演終了後に清家先生にパワポのデータを勉強の為に下さいとお願いしに楽屋裏を訪ねたところ、未だ許可をとってないので出せないとのことでした。講演中にデジカメで撮影しましたので特に必要な方(身内のみ)はご連絡下さい。
社会は、私たちの予想以上に、住宅のライフサイクルにおける低炭素化が加速していくことを実感したフォーラムでした。
余談ですが、LCCM住宅という単語でヤフー検索すると・・・
ということは、LCCMの視点で住まいづくりに取り組んでいる会社はまだ全国でも僅かのようです。
未来の為に、エコワークスの存在価値を発揮したいと念じています。
※LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅についての過去のブログはこちら。

ほぼ満席の会場

トステム様ご来社
昨日、住生活グループの中核会社であるトステムの本社から、ビルダー(地域住宅会社)についての情報収集ということでわざわざお見えになりました。
トステムさんは、昔はトーヨーサッシという一サッシメーカーでしたが、M&A(企業買収・統合)を繰り返しながらいまや押しも押されもせぬ住宅設備関連のトップメーカーとして大きな企業グループになっています。皆さんご存知のINAXも住生活グループに入りましたし、サッシの新日軽さんやキッチンのサンウェーブさんも同グループに加わるようで大きな業界再編を主導されています。
ご来社の目的は、エコワークスのエコ的な取組みが先導的ということでその実情のヒアリングだったようです。私自身は、類する取組みが世の中に波及し、住まいづくりが低炭素社会に向けて加速するのは大歓迎ですので、余すところ無く色々とお話をさせていただきました。
現状、住宅業界の省CO2への取り組みは未だ未だ不十分ですが、社会制度として政治や行政が誘導してくれるのを待つだけでなく、業界のリーダーシップをとれる力のある会社が低炭素社会に向けて舵を大きく取り直す世紀的な転換期に来ています。そういう意味で、トステムさんの社会的な役割は極めて大きいものがあると思います。
改めて、住生活グループのHPを拝見し、環境基本方針の頁や会長メッセージを読んでみました。
色々と感じる所がありますが、皆さんはどうお感じになられますか?
個人的には次のように思います。
1、経営理念や経営戦略に環境基本方針をより融合させて頂きたい。
2、環境基本方針を住まいづくりのLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)的な視点で再構築して頂きたい。
住生活グループさんにリーディングカンパニーとして住宅業界を牽引して頂きたいという強い願いをもって恐れ多いですが敢えて提案を書かせていただきました。業界全体のベクトルが方向を揃えるべきだと思うのです。生意気なコメントになってしまいましたがご容赦いただければ幸いでございます。
<追伸>
先週、地球温暖化対策基本法(案)が環境省から発表されています。政策が始動する前に、自主的に動いて行きたいと考えるエコワークスです。トステムさんを始め、皆様のご指導をどうぞ宜しくお願いします。

OM自主勉強会
先週は3泊4日の出張で、名古屋の阿部建設さんと岐阜の大幸住宅さんというOM会員工務店さんの視察と勉強会でした。
いつもの通り、OM会員各社の皆さんは大変に熱心な方ばかりで、会議は白熱しあっという間に時間が過ぎてしまいます。合計10数時間にわたり、各社の事例発表や意見交換など活発な意見が飛び交いました。
私からは、OMの商品戦略についての仮説という小論文を発表させていただき、皆さんからご意見とご指導をいただきました。
今後、太陽熱利用と太陽光発電のハイブリッド化が色々な形で進んでいくと思われますが、最適解を導くべく仮説と実証を繰り返しながら技術開発を進めていきます。

メンテナンスワークショップ
最終日は岐阜の大幸住宅さんの新モデルハウスをお借りしてのOMメンテナンスワークショップです。OMは機械がゆえに適切なメンテナンスが必要となりますが、その事例と対処を実務的に学びあう場となっています。エコワークスからは藤掛、上山の両工事監督も出席し、学びを深めました。
全国の切磋琢磨させていただける仲間に感謝です。
前回ブログについての注意事項です。
その後、OMソーラー+太陽光発電(後付)によるOMソーラーの集熱効果の低減について、他社での事例を収集した所、約3割ほど低くなってしまう事例もあるようです。
考察すると次のような事により低減率が異なってくると思われます。
①太陽光発電で予備集熱面がどの程度ふさがれるか?
(自宅の場合は、太陽光発電パネルの上部と下部に余白のスペースが約2mありそこは集熱効果は減じられていない)
②OMソーラーのパネルの枚数の多寡
(自宅の場合は、東西に長い設計となっていて比較的枚数が多く10枚載っている)
結論としては、設置状況にもよりますが、最大で3割程度の集熱効果が落ちる事がありますので、後付する場合は、前述①②を考慮して、私と十分に打合せの上で進めて行きたいと思います。
今後、引き続き、OMソーラー+太陽光発電(後付)について研究を深めて参ります。
明日は、名古屋の阿部建設さん、岐阜の大幸住宅さんのOMソーラー+太陽光発電(OM一体型)の現場視察です。弊社工事担当の藤掛と上山と同行し勉強して参ります。
その後、OMソーラー+太陽光発電(後付)によるOMソーラーの集熱効果の低減について、他社での事例を収集した所、約3割ほど低くなってしまう事例もあるようです。
考察すると次のような事により低減率が異なってくると思われます。
①太陽光発電で予備集熱面がどの程度ふさがれるか?
(自宅の場合は、太陽光発電パネルの上部と下部に余白のスペースが約2mありそこは集熱効果は減じられていない)
②OMソーラーのパネルの枚数の多寡
(自宅の場合は、東西に長い設計となっていて比較的枚数が多く10枚載っている)
結論としては、設置状況にもよりますが、最大で3割程度の集熱効果が落ちる事がありますので、後付する場合は、前述①②を考慮して、私と十分に打合せの上で進めて行きたいと思います。
今後、引き続き、OMソーラー+太陽光発電(後付)について研究を深めて参ります。
明日は、名古屋の阿部建設さん、岐阜の大幸住宅さんのOMソーラー+太陽光発電(OM一体型)の現場視察です。弊社工事担当の藤掛と上山と同行し勉強して参ります。

OMソーラーの自宅に設置した太陽光発電
※下記数値報告に付き安全側に若干修正しました。
先週、OMソーラーハウスの自宅に後付で太陽光発電(シャープ製4.16Kw)を設置しました。
ご承知のように民主党は太陽光発電による電気の買取を全量買取制度へ転換し、さらに太陽光発電の普及を進めるという方針です。現状の余剰分のみ買い取る制度でも、買取単価が48円/kwと約2倍になったことから実質的に投資を回収するのに、10年(政府試算)~15年(固めの弊社試算)と短期化され、経済的メリットが見込まれるようになりつつあります。
では、OMソーラーと太陽光発電のどちらを選ぶべきか?またOMソーラーハウスに太陽電池を後付したらどうなるか?OMの集熱効果が減じられるのでは無いか?という悩ましい問題が浮かび上がってきます。
そこで、我が家のOMソーラーの屋根面に太陽光発電を後付設置し、集熱温度の比較を試みることにしました。OM本部からパソコンでOMの温度を時系列的に記録するOMモニターソフトを購入し、太陽光発電の設置前後それぞれ数日間の比較をしてみました。具体的には、外気→棟温の上昇温度を、晴天時かつ正午頃の平均データで比較しました。
<OM集熱面による上昇温度の比較>
太陽光発電設置“前” 1/27~1/28 約+45℃~50℃
太陽光発電設置“後” 2/06~2/07 約+40℃前後
結果は、OMによる集熱空気の上昇温度は1割~2割程度しか下がっていないという事で、言い換えれば、その時点の集熱量は1割~2割程度しか減じられていないといえます。
上昇温度は、天候(日照)や屋根面積やガラス集熱面積などいくつかの要素が関係してきますので、あくまでも私の自宅での事例であり保証値ではありませんが、およその目安にはしていただけると思います。もともとOMの集熱のおよそ2/3はガラス集熱面によるといわれており、予備集熱面は1/3程度の働きをしています。その予備集熱がゼロになれば3割程度の上昇温度の低下を招くのではと心配しておりましたので、実際には1割~2割程度で減少幅は予想以上に低かったといえます。
これは、冬季でも太陽光発電パネルの裏側は相応に暖まっているがゆえに、パネル裏側からの輻射熱によりOMの予備集熱面が暖められているためと推測されます。このことは昨年4月1日のブログで報告した実験でも実は予見していました。ブログでは測定温度は公開しませんでしたが、実証データも確保出来たことからここに初公開いたします。
平成21年3月下旬の晴天時(最高気温13℃)
13:30<太陽光発電の裏側温度:ダンボールに寝かせて裏側に熱がこもる状態で測定>
表面 裏面
シャープ 48℃ 56℃
京セラ 49℃ 59℃
ホンダ 53℃ 62℃
15:30<宙に浮かした状態で裏側からの放熱を促進させた状態で測定>
表面 裏面
シャープ 33℃ 39℃
京セラ 35℃ 40℃
ホンダ 36℃ 42℃
これらの実験から推測しますと、冬季晴天時においては太陽光発電パネルの裏側は、外気温よりも約30~50℃も上昇するということです。
さらに面白いことに、表面温度よりも裏面温度の方が、6~10℃高い結果となっています。これは裏面側には発電時の発熱のエネルギーが影響していると推測されます。
これらの考察と実証実験の結果、エコワークスとしては、OMソーラー+太陽光発電(後付)のハイブリッドエコハウスについても積極的に推奨をして参りたいと思います。
太陽光発電のエネルギー効率は約15~20%、太陽熱利用システム(太陽熱温水器やOMなど)のエネルギー効率は約40%と言われ、熱利用の方がエネルギーの利用効率が高いことが専門家筋の間では知られています。OMソーラーと太陽光発電の併用により、エネルギー効率の最大化を図り、快適性と経済性を極大化するご提案を志向していきたいと考えています。
太陽光発電は後からでも設置可能ですが、OMソーラーは新築時にしか設置が出来ません。
まずは、OMソーラーをご選択いただき、初期投資可能額(ご予算)を考慮しながら新築時に太陽光発電を同時施工するか、又は、後日に後施工するかをご検討されてみてはいかがでしょうか?

熊本空港で見かけた熊本県の観光物産情報看板
おばかキャラで一躍人気者になったスザンヌですが、実は熊本県出身で、熊本県の宣伝部長を県の委嘱を受けて正式に務めています。
熊本県庁の観光サイトは、こちら。
良くお堅い県がスザンヌを起用したものだと当初は思いましたが、意外と適役で九州県内のJRの各駅でも良くポスターを見かけます。ちょっと気になって、スザンヌのブログを見てみましたが、女子的日常可愛綺麗的世界が表現されていて、私にはコメントする能力が無いジャンルですね。
さて、写真で紹介されている太平燕(たいぴーえん)は熊本名物のオリジナル中華料理です。
一言で言うと、春雨ちゃんぽんという料理で、ヘルシーな中華で県内の中華料理店なら殆どメニューに載っています。秘密の県民ショーでも紹介されています。
是非、県外のみなさんもご賞味あれ。
というわけで、久しぶりの息抜きブログでした。
※↓三日分まとめて書きました。どうぞご覧下さい。

20100209日経朝刊九州経済面(↑画像をクリックすると大きくなります)
昨日、日経新聞の記者さんから電話があり、最近のエコワークスの動向についてお尋ねがありました。
出張中の合間に電話応対し、色々と現状やビジョンのことなどお話をしたところ、早速、今日の朝刊に記事が掲載されていました。
主題は、九州の中小ハウスメーカーで「エコ住宅」販売が拡大しているという内容です。
有り難いことに、記事の冒頭にてエコワークスをご紹介いただいています。
私どもだけでなく「エコ住宅」への様々な取組みが報道を通じて社会的に認知され、お客様のご関心がより一層高まり、ひいては社会全体がエコ住宅に向かう方向になることがエコワークスの願いです。
循環型社会実現のために、エコワークスは住まいづくりのエコ的情報を発信し続けます。

新産グループの取り組みを紹介する国土交通省の伊藤室長
今日は東京出張で、長期優良住宅先導的モデル事業シンポジウムを聴講してきました。
昨年度から始まり合計4回の公募を通じた総まとめが行われ、これまでの様々な全国各地での取組みが紹介され、その中で、地域の林業から住宅建築までの産直ネットワークの仕組みづくりの先導的事例として、新産グループが紹介されました。
写真はその紹介をされる国土交通省の伊藤さんのパワーポイントです。
(余談ですが伊藤さんは京大工学部の3学年先輩でいらっしゃいますが直接のご縁はありません。女性がキャリアとして男社会の建設行政の最前線で活躍されていることにエールをおくりたいと思っています。)
さて、色々のモデル事業は、平成22年度は環境リフォーム推進事業と言う名称に衣替えし、その中で従前同様の長期優良住宅のモデル事業が推進される予定であることなどの説明がありました。
平成22年度も新産グループとして、またエコワークスとして採択されるようにチャレンジいたします。
モデル事業を通じて、お客様にも喜ばれ、かつ環境問題や循環型社会形成にも貢献し、三方良し(買い手よし、世間よし、売り手よし)の経営を実践したいと念じています。

オールLED住宅の熊日新聞記事(大きなpdfファイルは→こちら)
またまたLEDの話題です。
食傷気味だと思いますがネタが続くので書かざるを得ませんのでご了承下さいね。
先の1月23日のブログで報告したオールLED住宅の見学会には熊本日日新聞社の記者も取材に来られていたのですが、本日の朝刊のくらし面に予想以上に大きな記事が掲載されましたので紹介します。
よろしかったら上記写真をクリックすると読める大きさになりますのでどうぞご覧ください。
末文の12行に私へのインタビュー内容も紹介されていますので合わせてお読み頂ければ幸いです。

経済産業省のHPより抜粋(クリックすると大きくなります)
※昨夜執筆した本ブログですが内容に誤りがありました。エコポイントの交換率が2倍になるのは電気店等で取得したエコポイントを即時交換でLEDに交換する場合だけでのようです。住宅エコポイント利用でも2倍と誤って書きましたのでお詫び方々訂正いたします。
ちょっとLEDシリーズが続きます。
昨年末に新聞でちょっと報道された後、殆どマスコミやWEBでも話題になっていませんが、平成22年4月以降ですが、電気店等で取得したエコポイントを即時交換してLED電球を買うと、ポイント交換率が2倍に換算され、実質的に半額でLED電球を購入することが予定されています。(平成22年度の経済産業省関連の本予算(案)として計上されており国会審議中です。)
ということは、LED電球の実勢相場がおよそ4,000円ですが、実質半値の2、000円で買えるわけです。
そういう意味でも注目の省エネ設備ですね。
是非お勧めしたいと思います。
※pdfファイルの抜粋元はこちらです。22頁に関連情報が掲載されています。
※経済産業省の関連HPはこちらです。
ところで、明日から我が家の太陽光発電設置工事が始まります。OMソーラー+太陽光発電のダブルソーラーに進化するという訳です。詳しくはまた報告いたします。