

TKU展示場の緑のカーテン
毎日うだる様な猛暑が続きますね。
皆様もくれぐれも体調を崩されぬよう夏バテされぬようご自愛されて下さい。
ところで、熊本のTKU展示場では緑のカーテンが好評です。
写真のように南面の掃き出し窓を覆うように、へちま、朝顔、ゴーヤの三種混合の緑のカーテンです。
涼しさを呼び込むだけでなく毎日少しずつ成長していく姿に楽しみを感じます。
是非、皆様のお宅でも実践してみてはいかがでしょうか?
緑のカーテンのコミュニティサイトは、こちら!

部屋から見た緑のカーテン

さらにベランダも芝緑化(TKU展示場)
こちらのベランダ緑化も手間は掛かりますがお勧めです。
話題が補助事業に偏っていますが、省CO2系は補助事業ラッシュです。
NEDOの住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業については、対象となる省エネシステムの費用の1/3が補助され、経済的に大きなメリットのある経済産業省系の補助事業です。
住宅の一次エネルギー消費量をNEDOの基準において25%以上削減するようなシステムに当該補助金が交付されます。
エコワークスの提案では、概ね150万円前後の補助金が交付されます。(但し諸経費や相応の仕様アップがございますので詳しくはハウジングアドバイザーからご説明をいたします)
今年度は4月に募集があったのですが、エコワークスからは13棟の決定をいただきました。
OMグループで50数棟の決定と聞いておりますので、約2割がエコワークスからの提案と言う計算になります。
NEDO補助事業の申請には、緻密なエネルギー計算が必要となります。申請後も、途中NEDOから提案内容の修正の指示が来たりして提案金額が変わったり、最終的に補助率が変更になったりと非常に不確実性が高くお客様の予算計画が確定せずに色々と難しい面があります。
また補助事業として決定後でないと着工出来ないことから、着工直前になって万一抽選に落ちて不採択があったりすることもあります。不採択の可能性もあるわけで、着工前の性能表示に着手すべきかどうかも非常に難しい判断を要します。
そのような意味で非常にハードルが高い補助事業の為に一般の工務店さんでは扱われないお会社が殆どのようなですが、エコワークスとしては、お客様に少しでも経済的メリットを還元したいという目的と社員の技術力を高めたいという二つの目的で果敢にチャレンジしています。
今回、対象システムの仕様やスケジュール等が前回と変更となり、その点についてお客様へのご説明が行き届かずにご迷惑をかけた事例が発生し、会社を代表してお詫び申し上げたいと存じます。
ただ今回は幸いにも、申請物件の内、全棟が決定しほっと胸をなでおろしています。
(一次募集で予算が余ったようで8月から二次募集が始まります。但し日程的には極めて限定的なスケジュールの方だけで新築での活用は難しいようです。詳しくは、こちら。)
出来る限りのメリットをお客様に提供出来るよう真摯に取り組んで参りますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。
いま平成23年度予算の概算要求について政府が検討を進めています。原則として1割削減とし、浮いた予算を環境対策等の重点施策に充当する方針と報道されています。
低炭素社会の実現に向けて加速出来るよう、省CO2系の補助事業については重点配分をお願いしたいと切に願っております。
NEDOの住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業については、対象となる省エネシステムの費用の1/3が補助され、経済的に大きなメリットのある経済産業省系の補助事業です。
住宅の一次エネルギー消費量をNEDOの基準において25%以上削減するようなシステムに当該補助金が交付されます。
エコワークスの提案では、概ね150万円前後の補助金が交付されます。(但し諸経費や相応の仕様アップがございますので詳しくはハウジングアドバイザーからご説明をいたします)
今年度は4月に募集があったのですが、エコワークスからは13棟の決定をいただきました。
OMグループで50数棟の決定と聞いておりますので、約2割がエコワークスからの提案と言う計算になります。
NEDO補助事業の申請には、緻密なエネルギー計算が必要となります。申請後も、途中NEDOから提案内容の修正の指示が来たりして提案金額が変わったり、最終的に補助率が変更になったりと非常に不確実性が高くお客様の予算計画が確定せずに色々と難しい面があります。
また補助事業として決定後でないと着工出来ないことから、着工直前になって万一抽選に落ちて不採択があったりすることもあります。不採択の可能性もあるわけで、着工前の性能表示に着手すべきかどうかも非常に難しい判断を要します。
そのような意味で非常にハードルが高い補助事業の為に一般の工務店さんでは扱われないお会社が殆どのようなですが、エコワークスとしては、お客様に少しでも経済的メリットを還元したいという目的と社員の技術力を高めたいという二つの目的で果敢にチャレンジしています。
今回、対象システムの仕様やスケジュール等が前回と変更となり、その点についてお客様へのご説明が行き届かずにご迷惑をかけた事例が発生し、会社を代表してお詫び申し上げたいと存じます。
ただ今回は幸いにも、申請物件の内、全棟が決定しほっと胸をなでおろしています。
(一次募集で予算が余ったようで8月から二次募集が始まります。但し日程的には極めて限定的なスケジュールの方だけで新築での活用は難しいようです。詳しくは、こちら。)
出来る限りのメリットをお客様に提供出来るよう真摯に取り組んで参りますのでどうぞ宜しくお願い申し上げます。
いま平成23年度予算の概算要求について政府が検討を進めています。原則として1割削減とし、浮いた予算を環境対策等の重点施策に充当する方針と報道されています。
低炭素社会の実現に向けて加速出来るよう、省CO2系の補助事業については重点配分をお願いしたいと切に願っております。

省CO2先導事業シンポジウム(冒頭ご挨拶の村上周三先生)
トステム本社訪問の翌日は、今回の出張のメインの住宅建築物省CO2先導事業のシンポジウム聴講でした。
同事業の概要は、こちら。
昨年の平成21年度第二回でエコワークスは工務店として唯一の採択を頂き、80万円×15棟のお客様に大きな経済的メリットをご提供できましたが、平成22年度の第一回は募集要項が変わったために様子見で一旦見送りました。
案の定、戸建住宅部門からは一社も選ばれずに、共同住宅(マンション等)と大型建築物ばかりという採択結果でした。
しかしながら第二回は募集要項が変わり、住宅部門においてLCCM住宅を追加テーマとして募集されるということになった事が正式に解説されましたので、エコワークスとして再チャレンジの決意を固めた次第です。
募集は、8月中旬から9月中旬、採択発表は11月というスケジュールです。採択されれば、12月の着工のお客様から補助事業の対象となりうる可能性があります。
公募提案前にここまでブログで書くのは初めてだと思いますが、今回ばかりはエコワークスの叡智と新産グループの基盤の集大成として挑戦いたします。
皆様のご指導を何卒宜しくお願い申し上げます。
今日、東京都江東区にあるトステム本社を訪ねて参りました。
お目にかかったのは住宅サッシ統括部長の藤井さんと社会環境推進部の小野さんです。
トステムさんの環境配慮への先導的な取り組み、具体的にはLCCMにつながる取り組みをご教示いただきエコワークスの住まいづくりに取り入れることが目的です。
偶然にも本日のニュースリリースで「トステム環境コミットメント2015」を発表されたとのことでした。
主な内容は次の通りです。
1、製品・サービスの提供を通じて住まいからのCO2排出量を削減します。
2、低炭素・資源循環型の事業活動を確立します。
3、生物多様性の保全と持続可能な利用を促進します。
詳しくは、こちら。
詳細をご教示頂きましたが、さすがに一流の大企業なだけにCSRにきちんと配慮され意欲的な目標が掲げてありました。
いまLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)という概念が注目されています。
お客様が住まれている状態での省CO2はほぼ方法論が出尽くし、後は地域の気候風土へ配慮した組み合わせで光熱費ゼロやゼロエネルギーを実現出来るのですが、住宅を建築する際の省CO2は研究が緒についたばかりです。
LCCM住宅の実現、それも出来る限り短期間で実現するには、新築時の排出CO2が少ない事が重要となってきます。
新築時には数え切れないほど多くの部材が使用され、その一つ一つの製造時の排出CO2を検証し、出来る限り排出CO2が少ない建材を選定することが求められます。
そのためにコストがあがってはお客様にご負担をかけてしまいますので、コストをあげずに排出CO2の少ない建材を選定することは至難の業ですが、エコワークスにとっては挑戦のし甲斐がある難題です。
15年前、シックハウス問題の黎明期の頃に、住宅に使用する建材からの化学物質放散量を一つ一つ検証していった事が思い返されます。
私たちが取り組んだ7年後にシックハウス対策法が施行されました。
その時と同じように、新たなるチャレンジが始まります。
国はLCCM住宅を補助事業などにより先導したいと考えています。
住宅・建築物省CO2先導事業は3年目をむかえていますが、今年度第二回からはLCCM住宅が主な評価対象となります。(明日が第一回目の採択結果のシンポジウムで出席予定です)
エコワークスは昨年度に単独工務店としては全国で唯一採択され80万円×15棟の補助を国からいただき、そのメリットをお客様に還元いたしました。
住宅を建築されるお客様にとっても経済的なメリットがあるようなビジネスモデルを構築し、お客様良し、社会(国)良し、会社良しの三方良しの経営で、企業の社会的な存在価値を見い出したいと念じています。
もし住宅建材の供給メーカーの方で、このブログを見られた方がいらっしゃったら是非色々とお知恵とお力を貸していただければ幸いです。
お目にかかったのは住宅サッシ統括部長の藤井さんと社会環境推進部の小野さんです。
トステムさんの環境配慮への先導的な取り組み、具体的にはLCCMにつながる取り組みをご教示いただきエコワークスの住まいづくりに取り入れることが目的です。
偶然にも本日のニュースリリースで「トステム環境コミットメント2015」を発表されたとのことでした。
主な内容は次の通りです。
1、製品・サービスの提供を通じて住まいからのCO2排出量を削減します。
2、低炭素・資源循環型の事業活動を確立します。
3、生物多様性の保全と持続可能な利用を促進します。
詳しくは、こちら。
詳細をご教示頂きましたが、さすがに一流の大企業なだけにCSRにきちんと配慮され意欲的な目標が掲げてありました。
いまLCCM住宅(ライフサイクルカーボンマイナス住宅)という概念が注目されています。
お客様が住まれている状態での省CO2はほぼ方法論が出尽くし、後は地域の気候風土へ配慮した組み合わせで光熱費ゼロやゼロエネルギーを実現出来るのですが、住宅を建築する際の省CO2は研究が緒についたばかりです。
LCCM住宅の実現、それも出来る限り短期間で実現するには、新築時の排出CO2が少ない事が重要となってきます。
新築時には数え切れないほど多くの部材が使用され、その一つ一つの製造時の排出CO2を検証し、出来る限り排出CO2が少ない建材を選定することが求められます。
そのためにコストがあがってはお客様にご負担をかけてしまいますので、コストをあげずに排出CO2の少ない建材を選定することは至難の業ですが、エコワークスにとっては挑戦のし甲斐がある難題です。
15年前、シックハウス問題の黎明期の頃に、住宅に使用する建材からの化学物質放散量を一つ一つ検証していった事が思い返されます。
私たちが取り組んだ7年後にシックハウス対策法が施行されました。
その時と同じように、新たなるチャレンジが始まります。
国はLCCM住宅を補助事業などにより先導したいと考えています。
住宅・建築物省CO2先導事業は3年目をむかえていますが、今年度第二回からはLCCM住宅が主な評価対象となります。(明日が第一回目の採択結果のシンポジウムで出席予定です)
エコワークスは昨年度に単独工務店としては全国で唯一採択され80万円×15棟の補助を国からいただき、そのメリットをお客様に還元いたしました。
住宅を建築されるお客様にとっても経済的なメリットがあるようなビジネスモデルを構築し、お客様良し、社会(国)良し、会社良しの三方良しの経営で、企業の社会的な存在価値を見い出したいと念じています。
もし住宅建材の供給メーカーの方で、このブログを見られた方がいらっしゃったら是非色々とお知恵とお力を貸していただければ幸いです。

アイミーブ、納車!
電気自動車アイミーブが大野城展示場に社用車として納車されました。
待つこと1年。いま電気自動車は納車まで約1年が相場です。
これから続々と電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHV)が発売されます。
本日の日経新聞によれば次の通りです。
<三 菱> 今年4月からEVのアイミーブを市販開始。
<日 産> 年内にEVのリーフを発売。
<トヨタ> 2012年頃にPHVとEVを発売。
<ホンダ> 2013年頃にPHVとEVを発売。
政府によるEVやPHV等の次世代自動車の国内普及目標は10年後の2020年に20~50%、2030年に50~70%というシナリオが描かれています。
20年後には過半数が次世代自動車となるわけで、普及は加速的に進むものと思われます。
アイミーブを見学会場までの往復で二日間運転してみましたが、加速もまずまずでガソリン車と比較して何ら問題はありません。
エンジン音がしないので非常に静かなドライブが楽しめます。
運転して気付いたのがエアコンのことです。
エアコンを付けながら走ると残走行可能距離が90km→75km等と一気に2割位減ってしまうのでエアコンを付けずに窓空け運転が習慣となってしまいます。
流石に真夏をきついですが、出来る限り窓空けで運転するようになるので結果的にエコ的カーライフとなります!
常時、残走行可能距離が表示されるので、充電切れでエンストの恐れは少ないものの、最高航続距離が160km(実質は100km位?)なのでやはり毎日のチョイ乗り向けですね。
一番のメリットは燃費(電費)の安さです。実際の燃費(電費)で比較してみると。
プリウスは1L(130円)で約20km。
一方アイミーブは一晩200Vの7時間充電で約100km。深夜電力8円/kw×2×7=112円で約100km。
ガソリン車流の表現をすると、アイミーブはリッター100km走ります。
これから一般家庭に普及すれば、夜間の充電の為に深夜電力契約が必須となり、それがきっかけとなってオール電化が進み、最終的には電化中心のスマートグリッド社会につながっていくというシナリオが描かれています。
また日中の太陽光発電による電力を電気自動車に蓄えてその電力を夜中に家庭で利用するという実証実験も行われています。
電気自動車の普及は住まいづくりにも影響を与える可能性を秘めているようです。
なおエコワークスのお客様にはアイミーブの試乗(予約制)をしていただけます。
お気軽に大野城展示場にお立ち寄り下さい。

工事中の東京スカイツリー
↑クリックすると大きくなります。
会議の合間に東京スカイツリーの工事現場に立ち寄りました。
現在389mまで完成と現場看板に表示がありました。
東京スカイツリー公式HPはこちら。
最終的には634mもの超高層ビルになり、2012年春の開業です。
スカイツリー六つで、富士山くらいの高さになります。
そう考えると、わずか六つなのでいかにスカイツリーが高いかが感覚的に分かりますね。
立地が浅草から電車で一駅くらいの近距離なので、東京の観光名所として人気ナンバー1スポットになることは間違いないような気がします。
ロケーションはこちら。
完成した後に、是非、最上階まで登ってみたいと思いますが、工事中のプロセスを見学することにも価値ありと思い足を運んだ次第です。
もし歩いて登るコースがあればチャレンジしたいです!
皆さんはいつ頃に行かれますでしょうか?

ライフサイクルカーボンマイナス住宅シンポジウム
先週もシンポジウムに参加して来ました。
住宅をとりまく環境変化のスピードが本当に速いので必須の学びです。
これまで色々な会に参加して来ましたが今回ほどにワクワクした会はありません。
いよいよ、ライフサイクルカーボンマイナス住宅の認証制度が平成23年度からスタートします!
住宅の建築時、居住時&改修時、解体時のトータルを通じて排出CO2をマイナスにするという新しい概念で、建築時+改修時+解体時の排出CO2を居住時の売電等による創エネで差し引きでマイナスにするという意欲的な取組みです。
世界を見渡すと、最も先進的なイギリスでは、2016年までに全ての新築建築物をゼロエミッションにすることを法律で目指していますが、あくまでも建物の使用時(居住時)に限る話で、建物のライフサイクルを通じてという概念としては知りうる限りでは世界でも類を見ないのではないかと思います。(私が知らないだけであればどなたかご教示頂ければ幸いですm(__)m)
この一年間、同テーマに関して私も色々な情報を収集し学びを深めてきました。
東大清家研究室の研究協力(昨年9月)、ブログはこちら。
IBEC主催の省エネルギーフォーラム(本年2月)、ブログはこちら。
今回は、特筆すべき発表がありました。
建築時の省CO2については色々な取組みが必要となりますが、主要構造材別にみると排出CO2は、木造<鉄骨<RC(コンクリート)となります。住宅全体の構成部材の製造時排出CO2をみると、木造が30t、鉄骨が60t、RCが90tと圧倒的に木造が有利です。
さぁ、ここで国産材木造住宅の時代が来たとぬか喜びをしてはいけません。
木造といっても一般にウッドマイレージという概念で外国から木材を運んで来て使用することは物流における排出CO2が大きいので出来る限り国産材を使おうというのがこれまで常識だったのですが、必ずしもそうはならないという視点が今回の大きな学びです。
少しご説明いたしますと、外国材を運んで来て国内大手の木材会社で木材チップ乾燥による乾燥を行い供給されている木材と、国産材で人工乾燥(熱源は一般に重油)による乾燥を行い供給されている木材を比較すると、運搬による排出CO2を考慮しても、外国材の方が排出CO2が小さいという知見が明らかになったというのです。
要は、木材製造時における排出CO2は、外国から持ってくるか?国産材で近くの山から持ってくるか?よりも、乾燥時に重油を使うか?それとも天然乾燥や木材チップ乾燥等のカーボンフリーな乾燥をするか?による差の方が大きいということなのです。
排出CO2の量を比較してみると次の通りです。
天然乾燥や木質チップ乾燥の国産材<木質チップ乾燥の輸入材(主に大規模工場)<人工乾燥の国産材<人工乾燥の輸入材
これまでの業界常識を覆す発表でした。
さらに、木質チップ乾燥は、CO2的には木の成長時にCO2を吸収しているので燃焼してもカーボンフリーとみなされるのですが、燃焼時のNOX等の他の温暖化ガスが発生することからその点は差し引きが必要という発表もありました。
というわけで、これからLCCM住宅を実現する為に、ベストな乾燥方法として天然乾燥国産木材を社会制度として、ライフサイクルカーボンマイナス住宅の評価項目の一要素として評価する検討がなされると予測されます。
私たち新産グループは10年以上前から天然乾燥にこだわった住まいづくりに取り組んできました。
天然乾燥木材としては、現時点では日本最大の供給体制を構築しています。
当時は業界の常識に反していて随分と批判を浴びたものです。
「木材の素人だから何も分かっていない」
→当時の林野行政は人工乾燥への補助金が主流で、木材業界では人工乾燥が常識でした。
「在庫が大量に増えているようだが在庫は圧縮するという経営の基本に反している」
→天然乾燥は数年の在庫を持つことになるので必然的に在庫が増えます。外部の方には乾燥の為に在庫が増えていると言うことが分からずに銀行筋の方からは批判をされました。
しかしながら、香りや艶が良く耐蟻性等の木の元来のメリットを損なわない天然乾燥による住まいづくりで建主さんに喜んでいただきたいと言う一心で取り組んできました。人工乾燥では香りが飛んでしまい、木の良さが損なわれてしまいます。
林業の方は、我が家を作るときは天然乾燥の木を使って、商売は人工乾燥で出荷するという話を聞いたことがあります。私たちは林業のプロの方の家づくりを街の方にも提供しようと考えたのがもともとのきっかけで、当初から地球温暖化対策が目的だったわけではありません。
新産グループの理念の第一項目に、「損得より先に善悪を考えよう」という一節があります。
お客様にとって、善いか悪いかをまず考えて、その次に損得を考えると言う発想法です。
温故知新で先人の知恵を素直に活かし、損得等の採算性という視点ではなく、お客様により良い住まいづくりをという視点で取り組んできたことが、結果的に地球環境にも優しいという大きな付加価値を生みつつあります。
振り返ると、産業革命後の人類社会は大量生産や工業化が美徳とされ、資本の論理を中心に発展をしてきました。
いま住まいづくりは自然素材回帰に代表されるように先人の知恵が見直され価値観の揺り戻しが起きています。
木材乾燥についても、天然乾燥の価値が見直され、未来世代のために、地球温暖化対策の為に一助となることを切に願ってやみません。

LCCM住宅開発研究委員会のリーダー伊香賀先生(慶応大学)の発表
実は、先々週の日本臨床環境医学会のシンポジウムでパネラーだった建築研究所の村上理事長に、シンポジウムの合間にご挨拶して自己紹介をしたところ、「天然乾燥はこれから応援するから頑張りなさい。研究リーダーの伊香賀先生を紹介するから色々と学んで下さい。」と激励をいただき、そのご縁で、伊香賀先生にも色々と直接にご教示をいただくことになりました。
日本臨床環境医学会のシンポジウムのテーマが「居住環境と知的生産性」ということで、医学系学会にも関わらず、今回が偶然に建築系の村上先生や伊香賀先生がお見えでいらっしゃったのです。
もともとはシックハウス対策の学びを深めるために毎年参加していた日本臨床環境医学会が、こんなご縁に発展し、つながるご縁に運命を感じます。
運命を使命感とし、エコワークスの使命をまっとうしたいと念じています。

日本臨床環境医学会シンポジウムのポスター

日本臨床環境医学会第19回学術集会
先週は日本臨床環境医学会学術集会(所謂学会)へ参加いたしました。
ここ10数年間ほぼ毎年学会に参加し、住環境と健康の問題について学びを深め、建築実務への反映を繰り返して参りました。(建築関係者としては最長参加歴と思います)

学会場
今年も色々な研究成果の発表をお聞きし、建材などに含まれる揮発性化学物質の慢性毒性についての様々な事例を学び、建材や工法の選定には注意を要することの認識を深めています。
特別講演として、学会の創設者で日本のシックハウスの権威でいらっしゃる石川哲先生の講演がありました。今回で学会への参加などを引退されるようで、最後に下の写真のようなメッセージを若い研究者達に残して下さいました。

石川先生の最後のメッセージ
石川先生の講演の中では、シックハウスや化学物質過敏症などが社会問題になる初期において、主流派の医師達が「シックハウスや化学物質過敏症などあり得ない」等と批判を繰り返し、病期として認定されるに至るまでに大変な苦労があったことをしみじみとお話されたことが心に残りました。(病期として認定されないと医師が診断しても診療報酬が出ないので誰も治療に取り組めないということななのです)
多くの医学系団体は、化学業界から資金援助をうけており、化学物質の慢性毒性についての危険性を訴えることはスポンサーの利益に相反するわけです。
アメリカで数十年前に農薬の毒性を訴えて国家から迫害されたレイチェルカーソン女氏の人生がダブります。
レイチェルカーソン女氏についての私のブログは、こちら。
いつの時代も先駆者は批判を浴びます。
その批判を乗り越えて新しい価値を生み出す勇気を学ばせていただいた学会参加でした。