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長文です。m(_ _)m

昨日の日経朝刊で「省エネ義務、住宅見送り。政府、市場低迷に配慮」という見出しの記事が掲載されましたが、とても違和感ありますね。

もともと省エネ基準の義務化は大型建築物で2017年から、住宅は2020年からを目標として粛々と進んで来ていて、今回の閣議決定は大型建築物に関するもので、住宅は予定通り2020年から義務化の方向です。

この見出しは政権が景気回復に配慮しているということが強調されていて、政権へのリップサービスに過ぎません。(ひょっとしたら記者がネタ元のコメントを真に受けているかも?昨日のHEAT20シンポジウムでも有識者から記事の表現に対する異議がコメントされていました)

さらに記事の末文に「住宅の建築コストが5%前後上がるほか、省エネ技術が十分でない工務店も少なくない。」と記載されています。

さらに異論ありますね。

①そもそも省エネ基準義務化のコストは5%も上がりません。

→コストはサッシと断熱材の材工の差額と気流止めや気密フィルムの材工の全額となりますね。

しかしながら省エネ基準のコストは約100万円超というデータが国交省資料にも出回っていて5%の根拠になっています。

恐らく某研究所のデータが元ネタと思われますが、どう考えてもこのコスト試算約100万円超には窓の価格の全額が含まれているか定価ベースの試算で実勢価格を全く反映していません。

そもそも窓の無い家はあり得ない訳で、本来のコスト試算は、最低限の窓であるアルミ+単板ガラスから基準適合の仕様のサッシの差額を算出すべきです。

また元データは10年くらい前のもので、いまは市場における価格競争でコストダウンが相当に進んでいます。

寒冷地と温暖地でも差額は異なりますが、日本の大部分を占める温暖地でのコスト差額は半額以下と思います。

5%も上がるので住宅の省エネ義務化が困難という的外れな事を日経が書かれると世間をミスリードしてしまいますね。

また省エネ化のEBやNEBの費用対効果のシミュレーションにも影響がありますので、この社会的誤認は未来への禍根と思います。

またJBN環境委員会でも省エネ義務化の実勢価格を試算するプロジェクトを進めたいと考えています。

有志の方のご協力をよろしくお願い申し上げます。^_^

②省エネ技術が十分でない工務店も少なくない?

→「少なくない」から義務化がすぐに出来ないという論旨のコメントは業界擁護の立場に基づくものですが、国民目線では極めておかしいですね。

2020年に義務化されることが予定されているにも関わらす、その基準に満たない新築住宅が未だにおよそ半分を占めるという実情です。

仕様規定だけでなく気流止めや気密フィルムを適切に施工していない建築業者が統計だけでは見えないことを考えるとさらにゾッとします。

いま義務化を見据えて、国交省により大工さんや工事監督等を対象にした省エネ施工技能者講習が20万人受講を目標に進められていますが参加率はまだまだ低い状況です。

建築主は何も知らされずにマイホームを建築し、2020年以降にいつの日か我が家が基準不適合というショッキングな事実を知ることが起こります。

もし将来に中古住宅として売る場合にインスペクションが入り、基準不適合や施工不良の烙印を押され販売価格が大幅に下がるということが社会問題化することが懸念されます。

省エネ技術力の無い工務店を守るより、国民を守るという観点から、省エネ基準や施工ルールの社会的広報はもっと大々的に行われるべきと思います。

全ての建築主に省エネ基準の義務化が予定されていることを知らせる社会的なスキームが必要と思います。

今のままでは政治や行政の不作為が問われると思いますが、皆さんはどう思われるでしょうか?

長々とお付き合いいただきありがとうございました。m(_ _)m

機内で一気に書いたのですが、もう福岡に到着です。^_^












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